体重は健康のバロメーター
糖尿病や心不全の患者さんに関しては、以前より受診時に体重を測定するようにしていましたが、5月24日から当院ではすべての患者さんの体重を受診時に測定するようにしました(風邪などの方を除く)。実際に御自身の体重を知って、驚いたり、こんなはずではなかった、という思いにかられる方もおられるようです。余談ですが、私は先日、夜釣りに引き続いて日中のキス釣りを行った処、体重が3Kgも減りました。好きなことであっても、過度な没頭は体によくない、と知りました。
体重と身長から算出される肥満度指数[BMI:体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)]は肥満の判定基準として有名な指標です(25Kg/m2以上が肥満)。一方、体重そのものの変化もそれに劣らず極めて重要です。糖尿病や肥満症で食事療法を行った結果としての体重減少は別として、私は1年間で3Kg以上の体重の減少、あるいは増加を要注意と考えています。体重減少、あるいは増加に関して、頻度の高い病気をそれぞれ列記してみます。
体重減少で頻度の多い病気
- 各種のがん
- 内分泌疾患:甲状腺機能亢進症、アジソン病など
- 慢性炎症:クローン病などの炎症性腸疾患、関節リウマチなどの膠原病、感染症
- コントロール不良の糖尿病
- 心療内科的疾患
体重増加で頻度の多い病気
- 内分泌疾患:甲状腺機能低下症、クッシング症候群など
- 体に余分な水分が蓄積する病態:心不全、腎不全
- 心療内科的疾患
ゆっくりした体重の増減は自分でも、家族でも気づきにくいものです。少なくとも1-3月に1回の体重測定は健康状態を知る手がかりとなるため、おすすめしたいな、と思っています。