メニュー

点滴って、なあに?ーその目的を知るー

[2021.06.21]

”元気がでないので、点滴してください”あるいは”点滴して、栄養をつけてください“―時に患者さんが希望される事柄のひとつです。点滴は脱水状態ではなくて元気がでない人を元気づけたり、あるいは、十分な栄養を補充することができるのでしょうか?外来での点滴治療に関していえば、答えは”否“となります。

 

末梢の静脈から行う点滴の種類は、さまざまですが、基本的に少量のブドウ糖(生理食塩水には入っていません)、電解質および水です。例えば5%ブドウ糖液:1000mLを輸液しても、カロリーに換算すると200Kcalほどしか供給できず、1日の必要量には全く達しません。

 

クリニックの外来で行う点滴治療の目的は、水と電解質(特にナトリウム)の補充が基本です。生体内では水とナトリウムは一緒に移動するためです。よって、外来での点滴の適応となる患者さんは、かなり限られてきます。端的にいうと脱水状態にあって、自力での水分摂取が困難な人、および自力での水分摂取だけでは脱水状態が改善しない、と考えられる人です。輸液が必要な場合を下記に示してみます。

  1. 下痢が頻回で、憔悴している人。
  2. 嘔吐を繰り返し、経口摂取が困難な人
  3. 高温あるいは高湿度での作業あるいは運動による脱水状態。
  4. 高血糖による脱水、消化管出血などによる急速な体液喪失、および熱中症などで、病院に搬送するまでのつなぎとしての急速輸液

私たちのクリニックでは生理食塩水と3号輸液(ブドウ糖:約25g/0.5L, ナトリウム:約1g/0.5L)を準備していますが、殆どの場合、生理食塩水で事足りています。生理食塩水では浮腫や血液を酸性化する(アシドーシス)などの合併症が起こりえますが、500-1000mLを1回のみ投与する程度では、そのような合併症のリスクは考えなくてもいいでしょう。点滴の速度は2時間あたり500mLを目安にしていますが、脱水の強い人には点滴の速度を2-3倍にしたり、心臓が弱っている人には心不全の誘発を避けるために、500mLを3時間以上かけて輸液することもあります。

 

十分量の食事をとることができない低栄養の方に関しては、いろんな会社から1本(パック):200Kcal程度の栄養ドリンクが発売されているため、試してみてもいいかもしれません。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME