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がんばれ、ヤクルトスワローズ

[2021.11.16]

ヤクルトスワローズがセントラルリーグの優勝をつかみ取り、かつ、クライマックスシリーズでも巨人を一蹴して、いよいよ11月20日よりオリックスバファローズとの頂上決戦が始まります。私は野村克也監督が就任した1990年以来のヤクルトスワローズのファンです。使っている箸にはつば九郎の刻印があるくらいです。もっとも、つば九郎はつばめ、というより、ペンギンではないか、という説も一部には根強くあるようです。

 

昨年、一昨年と他を寄せつけない圧倒的な最下位で、村上選手のホームランがわずかな慰めでした。今年も開幕の対阪神戦で3連敗を喫し、絶望はわたしの友達、みたいな感覚でしたが、なぜかその後は何とか踏みとどまり、恒例の大型連敗はなく、9月以降は別のチーム?、と思えるほど負けないスワローズに生まれ変わっていました。

 

勝因のひとつは巷間でいわれているように、9月13日の対中日戦における審判の不可解な判定をめぐる高津監督の14分間に及ぶ紳士的な猛抗議が選手たちの闘争心に火をつけ、それに続いて選手たちに語った“絶対大丈夫”という高津監督の言葉が、心もひとつにして、もともといいチームワークがさらにレベルアップした面があると思います。

 

私の考える勝因は、先発投手陣の再建に貢献したファームの尾花ピッチングコーチと先発投手の新しいローテーションシステムの効果に依るところが大であったと思っています。尾花コーチは名伯楽として知られている人です。クライマックスシリーズに先発した奥川、高橋、原の3投手は昨年、殆ど戦力になりえていませんでした。奥川投手は高卒後1年めでしたから当然ですが、高橋投手はその才能を高く評価されていたにもかかわらず、なかなか芽がでませんでした。私の印象では昨年までは、マウンド上でとにかく無駄な動作が多すぎて、落ち着きがないように見受けられました。今年は主に後半から投げるようなりましたが、見違えるようなマウンドさばきで、表情には自信がみなぎっています。私生活で板野友美さん(通称ともちん)と結婚したことも、高橋投手に背水の陣をひかせたひとつかもしれません。彼だけではなく、今まで燻っていた高梨、原、金久保などの投手たちもファームで問題点を克服し、ほぼ別人のようなピッチングを見せるようになったことは、驚きでした。もうひとつの先発投手の新しいローテーションシステムは、革命といってもいい新機軸でした。通常でしたら、中5-6日で先発させるところを、中7-10日(奥川くんの場合は中10日)でローテーションを組み、決して無理をさせなかったのです。そのために体の故障を回避し、十分な体力の回復が可能となって、いいパフォーマンスが発揮できたのではないかと思います。

高津監督の現役時代の日本シリーズの成績は2勝8セーブ防御率0.00と圧倒的で、修羅場に強い人でした。高津がでてくれば、大丈夫、みたいな感覚でしたから。また、大リーグだけではなく、韓国や台湾のプロ野球にも身を投じており、きっと視野も広い方でしょう。今回の日本シリーズでの事前予想ではオリックス有利の声が多いようですが、下馬評を覆すスワローズの戦いを期待しています。

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