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やったね、ヤクルトスワローズ

[2021.11.30]

今年の日本シリーズは近年では稀にみるほどの激戦の連続で(1試合:2点差;5試合:1点差)、うれしいことにヤクルトスワローズが勝者となりました。MVPをとった中村捕手のインタビューでの“精根尽き果てました”というコメントは、まさに実感がこもっていました。ほっともっと神戸のオリックスファンも試合後はヤクルトの選手に暖かい拍手を送るすばらしいファンでした。また、試合後にスワローズとバファローズの選手たちがお互いの健闘をたたえあう姿には、そこにプロフェッショナル同士の敬意、スポーツマンシップをみてとることができました。

 

 “勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし”という野村克也監督の有名な言葉があります。オリックスが有利という前評判を覆すスワローズの勝利は、確かに不思議な勝ち、という側面がありますが、無形の力による勝利でもあったと思います。Key wordは”信頼“です。すなわち、監督と選手、および選手同士の強い信頼関係が勝ちに結びついたのではないかな、と思います。1例をあげるとマクガフ投手に対する高津監督の起用法に、監督と選手の信頼関係をみてとることができます。マクガフ投手は抑え投手にもかかわらず、第1戦でオリックスの吉田選手にさよならタイムリーヒットを打たれ、第5戦スワローズの山田選手の劇的な同点スリーランホームランの直後には代打のジョーンズ選手に勝ち越しホームランを打たれています。私はマクガフ投手がたまにやらかすことを知っていましたが、短期決戦ではさすがにダメージが大きすぎるかも、と思ってしまいました(マクガフ、すまん)。野球解説者の間でもマクガフ投手は抑えとしてはもう使えないだろう、という意見がもっぱらでした。しかし、です。高津監督は同点の10回裏ツーアウトから敢然とマクガフ投手を送り出し、スワローズが1点をリードしても変えることはせず、異例の3イニング連続登板となって、彼は胴上げ投手となりました。高津監督のマクガフ投手への揺るぎない信頼とその信頼に見事に応えたマクガフ投手の奮投には心を揺さぶられました。

 

今年のヤクルトスワローズの勝利には高津監督の優れたマネジメント能力、既存の選手の潜在能力の開花、および新しい戦力(サンタナ選手、オスナ選手など)の参画が大きかったと思います。新陳代謝のない組織は必ず劣化するので、これからも変化を積極的にとりいれて、来シーズンからも毎年、毎年、新しいヤクルトスワローズをみせてほしいな、と思っています。

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