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インフルエンザ

[2019.11.12]

 “Flu-like symptoms”はしばしば用いられる医学用語で、”インフルエンザ様症状”が日本語訳です。発熱、上気道炎症状(咳、咽頭痛など)、筋肉痛、関節痛および倦怠感などがインフルエンザを疑う症状です。症状の面でのインフルエンザと通常の風邪との相違点は、発熱が高度であること(38℃以上を示すことが多い)、倦怠感・筋肉痛などの全身症状が目立つことです。また、インフルエンザが治癒しても、体調がもとに戻るまでの3~4週ほどを要し、特にご高齢の方ほど体調の回復に時間がかかります。なお、発熱の程度は個人差が大であること、発症初期には微熱に留まる場合があることには注意が必要です。

 

ご自身に“インフルエンザ様の症状”が出現した場合、早めに医療機関を受診することをおすすめします。また、周囲にインフルエンザの患者さんがおられ、ご自身も発熱を認めるようでしたら(発熱の程度は問いません)、やはり受診をおすすめします。抗インフルエンザ薬は発症早期に投与したほうがより有効なためです。例えばオセタミビル(タミフル)には罹病期間を1日ほど短縮し、インフルエンザあるいはインフルエンザによる入院の頻度を低下させる効果が確かめられています。インフルエンザ様の症状で受診した際には、多くの医療機関にてインフルエンザウイルスの迅速抗原チェックが行われます。この検査は治療を行う上での根拠を与える点で極めて有用です。一方、発症後12h以内ではたとえインフルエンザに感染していても陽性とならない場合があります。その際はご家族や職場にインフルエンザに感染した方がおられるようでしたら、例え検査が陰性であっても、抗インフルエンザ薬が投与されることがあります。

 

インフルエンザの予防方法については、ひとつは流行期前のインフルエンザワクチンの接種があがられます。前回の記事にも既述したように、これにより10~60%の感染リスクの低減効果があります。また、疲労をためない、室内を適度な湿度に保つ(50~60%)、および流行期には人がたくさん集まる場所はできるだけ避ける(きわめて困難とは思います)、ことが必要でしょう。

 

インフルエンザに関しては、感染の拡大予防に力点を置かれるべきかもしれません。熱があるのに無理して出勤したりすることは厳禁と思います。感染した方はマスクをつける、あるいは咳をするときに袖で口と鼻を覆う、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆う、などの咳エチケットと呼ばれる方法で自ら感染の拡大に努めてください。厚生労働省のHPに咳エチケットの啓発ポスターがありますので、ご参考まで。

 

参考PDF

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/A2_5.pdf

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