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片頭痛

[2020.11.10]

“雨が降る前に頭が痛くなります“、これはよく耳にする訴えで、片頭痛を示唆する症状です。片頭痛は女性に多く男性の2-3倍の頻度です。6-10hPaの気圧の低下が片頭痛の患者さんの74%で頭痛発作を誘発したという報告もあります(1)。片頭痛の発作の間は円滑な日常生活も困難となることが多いため、片頭痛に関して考えてみました(2)。

 

前兆:片頭痛患者さんの20-30%の方では、前兆(頭痛が起こる前の症状)を伴うことがあります。ギザギザした光が見える(閃輝暗点)、視野の一部の欠損、めまい、および感覚異常(しびれ、チクチク感)などが代表的な前兆の症状です。

 

頭痛の特徴:“片頭痛”という名称は多分に誤解を招きやすい名称であり、40%前後の患者さんでは両側性の頭痛です。典型的な痛みの特徴は拍動性の痛みで(ずきん、ずきんと痛む)、無治療では発作は4-72時間ほど持続します。ふだんは気にならないような光や音が頭痛を増悪させる (光過敏、音過敏)、吐き気、発作中は日常生活が困難になるなどの特徴が、頭痛そのものよりも診断の手助けになることがあります。日本神経学会のHPに分かりやすいイラストがありましたので、本稿の最後に掲示しておきます。

 

片頭痛と関連する生活習慣:食事のスキップ、睡眠不足または睡眠の分断、不規則なカフェイン摂取、激した感情、およびストレスの多い生活などが片頭痛と関連する生活習慣です。

 

片頭痛発作時の治療:トリプタン製剤が第一選択となります。できるだけ早い時期、発作の初期に服用して頂くことが、早い症状の改善につながります。他の鎮痛薬とトリプタン製剤を併用することもあります。

 

予防の治療:一般的には1週間に1回以上の発作、あるいは1月間で4日間以上の発作がある時は予防投与が考慮されます。

 

危険な病気と関連しえる頭痛の特徴:片頭痛は一次性の頭痛ですが、何らかの疾患に伴って起こる頭痛を二次性頭痛といいます。重篤なあるいは致死的な病気と関連することがあるので、その特徴を挙げてみます。

  1. 新しく発症した頭痛(特に50才以上の方)
  2. 72時間を超えて続く頭痛
  3. 視覚障害、感覚障害、および構語障害が1時間を超えて持続する。
  4. 頭痛または神経学的症状の急性発症
  5. 神経学的異常所見(片麻痺など)
  6. 発熱、全身性疾患の存在(膠原病など)

 

参考文献

  1. SpringerPlus 2015; 4:790
  2. N Engl J Med 2017;377:553-561

 

参考URL

https://www.neurology-jp.org/public/disease/zutsu_detail.html

(https://www.neurology-jp.org/public/disease/zutsu_detail.htmlより図を抜粋)

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