心不全の訪問診療
心不全は心臓に原因があって、体に過剰な水がたまる状態です。特に肺に水がたまりやすいため(肺うっ血といいます)、息切れ、呼吸困難が代表的な症状です。また、足にむくみがくることもしばしばあります。心不全は高齢化に伴って、爆発的に増加しており、心不全パンデミックとも称されています。
心不全は再入院を繰り返すたびに心臓の予備能力が失われていき、治療への反応性も低下し、最終的には不幸な転帰となることが多い病態です。心不全患者さんの再入院の予防、あるいは心不全の新規発症の予防にむけてのとりくみは主として外来で行われるため、病院の役割より、むしろクリニックの役割が大きいのではないかな、と私は考えます。長崎市は高齢化がめだち、独居の方も多く、御自宅が坂や階段にあるといった心臓病の患者さんにとっては過酷な状況があります。
通院が困難な人、通院自体が心不全を悪化させる可能性がある人、そのような方々には訪問診療を行います。クリニック、訪問看護師さん、ケアマネージャーなどの介護職の方とチームを組んで、心不全の患者さんを地域で支えたい、と考えています。