心不全とはなに?
心不全は心臓に原因があって、体に余分な水がたまっている状態です。肺に水がたまると息切れや呼吸困難を、下肢に水がたまるとむくみが出現します。その他に夜間頻尿、食欲不振、易疲労なども心不全の症状です。心筋梗塞などの虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、および高血圧性心疾患などあらゆる心臓病が、心不全を合併することがあります。高齢化に伴って、心不全の患者さんは急激に増加しています。
心不全はおおまかに3段階に分けることができます。すなわち、心不全の予備群(心臓病になるリスクを抱えている患者さん)、症状がない心臓病の患者さん、そして心不全の症状がある心臓病の患者さんです。それぞれの段階により治療の目的は異なってきます。まだ、心臓病を発症していない糖尿病や高血圧の患者さんは心不全予備群と考えられますので、早期から治療を受けることにより、心臓病の発症を予防することが大切になってきます。生活習慣病のコントロールは心不全のどの段階でも極めて重要です。また、すでに心臓病のある患者さんにとっては、体重を毎日、測る、過食を避ける、塩分を控える、きちんと薬を内服する、無理な労作や運動をしない(適切な運動量は年齢や心機能で個々の患者さんで、変わってきます)ということが、心不全の発症や再発を予防するうえで、患者さん自身ができることだと思います。
それでは、どのようなことがあれば、心不全と気づくことができるのでしょうか?心不全は体に余分な水がたまることが多いため、体重が増加します。1週間での2kg以上の体重の増加は心不全を示唆します。また、それまでできていたことができなくなった時、例えば、今までは1階から3階まで休まずに登れていたのに、息切れのために休まなければならなくなった、というようなことがあれば、それは心不全かもしれません。