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クリニックの感染対策

[2021.07.05]

2021年7月3日で開院後、2年間が経過しました。この2年間で、最も衝撃的で、現在も継続していることは、新型コロナウイルス感染症の蔓延です。このウイルスはこれまで当たり前と思っていた人間の営み、患者さんの権利を根こそぎ吹き飛ばしてしまいました。友人、家族と自由に会うことは人権の根幹でしたが、そのような基本的なことすら困難な時代となりました。

 

新型コロナウイルス感染症は、クリニックの診療のあり方に対しても、大きな影響を及ぼしました。要点は三つあります。

  1. 院内環境衛生の保持
  2. 発熱患者さんと非発熱患者さん(生活習慣病や心臓病の患者さん)との動線の分離
  3. スタッフの感染防護

 

院内環境衛生に関しては、換気のために入り口のドアを終日、開放するようにしています。サーキュレーターを待合室に1台、処置室(採血や点滴を行うところ)に1台を設置し、空気清浄機は待合室に2台、処置室に1台を設置しています。患者さんが手を触れる手すりなどはスタッフが1時間ごとに清拭しています。待合室、中待合いの椅子に関しては、約14名の方が間隔をあけて座れる数を準備しています(3人掛け椅子:3脚、2人掛け椅子:2脚、3人掛けベンチ:1脚、一人掛け椅子:1脚、中待合いに丸椅子:5脚)。

 

発熱患者さんと非発熱患者さんの動線の分離に関しては、院内感染の予防のために極めて重要です。新型コロナウイルスは基本的に飛沫感染が主体であるためです。受診前に電話連絡を頂いた患者さんに関しては、予約がない時間帯に受診して頂くようにしています。一方、電話連絡をしないで受診する方もいます。そのような場合は、診察が可能な時刻まで、徒歩で受診した方はクリニック前のベンチで、車で来られて方は車内で待機して頂いています。

 

発熱室を昨年の7月に院内に設置し、発熱患者さん、発熱の有無を問わず咳がでる患者さんを診察する場所としました。発熱室へは院内を通過せずに入ることができますし、また、他の院内の空間と発熱室はドアにより隔絶されています。診察は医師一人で行い、採血も医師が行います。完全防護のためキャップ、フェイスシールド、手袋、ガウンを着用して診察しますので、驚かれる方もいるかもしれません。

 

スタッフの感染防護に関しては、受付にはアクリル板を設置し、発熱患者さんとの会話による飛沫感染を予防しています。発熱の有無に関しては、受け付き時に非接触体温計にてスクリーニングを行っています。スタッフと発熱患者さんとの会話時は、スタッフにフェイスシールドを装着するようにしています。また、食事時に密集したスタッフによる院内感染例も報告されているため、スタッフ5名を3名と2名のグループに分けて食事するようにし、かつ、個々人を隔てるアクリル板を置いています。

 

私たちは未曽有の時代を生きることを余儀なくされています。ワクチンが普及しても、変異ウイルスなどによりその効果が著しく低下させられることもあるでしょう。かりに新型コロナウイルス感染症が封じ込められたとしても、新興感染症のリスクは常にあり、少なくともクリニックとしての現状の感染対策を継続することは不可欠だと考えています。

 

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