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自分の病気を知りましょう。

[2021.09.14]

先日のこと。通院中の患者さんに、”病名を書いときますね”と断りをいれて、コロナウイルスの予防接種の問診表に”高コレステロール血症”と書いた時のことです。患者さんがまじまじと問診表を見つめて、いいました。”それが私の病名だったのですね”。いささかびっくりしましたが、これは決して稀なことではありません。もちろん私の説明が不十分であったという反省はあります。一方で、自分の病気に関心が薄いように見受けられる患者さんもおられます。病気や治療法に関する説明の最後に、質問がないかを尋ねると、”よく分かりませんが、先生にすべてお任せします”、という返答もよく耳にします。お任せされて困るわけではありませんが、”よく分かりません、お任せします”ではなく、もっと積極的に自分の病気に関心を持ってほしいな、と思います。理解して頂けるまで、繰り返し私は説明したいですし、説明する義務があるためです。もちろん質問は大歓迎であり、質問が返ってくることは医者冥利につきます。

 

生活面、食事面での注意点も含めて、自分の病気を理解することは、治療効果の向上にもつながると私は確信しています。例えば心不全の場合、減塩(<6g/日)、毎日、体重を計ることの意義(1週間で2Kg以上の体重増加は、心不全増悪のサインのひとつ)、自分に適した運動量、薬を飲み忘れないこと、ただちに救急車を呼んだ方がよい場合(急な呼吸困難、胸痛など)を患者さん自身が理解することは、心不全の増悪の予防や早期に適切な治療を受けられることに繋がります。

 

患者さんも治療に参画してもらうために、糖尿病の患者さんには糖尿病手帳、高血圧の患者さんには家庭血圧手帳、減塩チェックシートと降圧目標の表などを初診時にお渡しするようにしていますが、まだ不十分かなと思っています。それぞれの病気に関する重要なメッセージ(なぜ、治療が必要なのか、治療の目標値など)を箇条書きにまとめて、お渡ししたほうがいかもしれない、と思っています。

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