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帯状疱疹ワクチンーシングリックス vs. ビケンー

[2024.03.05]

“帯状疱疹ワクチンは接種した方が、いいのでしょうか?”という質問をしばしば受ける機会が多くなっています。帯状疱疹ワクチンのCMの効果もありますが、実際に肉親や友人の帯状疱疹によるつらい経験、自分自身の過去の帯状疱疹のつらい経験に基づいて質問してくる方も多いです。質問に対する私の答えは“yes”です。なぜなら、80歳までに約1/3,

85歳までに約1/2の方が帯状疱疹に罹患するとされているためです。

 

帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスが初感染(水痘)で脊髄後根神経節や脳神経に潜伏し、過労やストレス、免疫能を低下せるような病態、治療などによって、ウイルスが再活性化し発症します。概略は当ブログの“帯状疱疹とは?”に書いていますので、興味のある方はご参考にしてください。

 

帯状疱疹ワクチン:帯状疱疹ワクチンの目的は帯状疱疹の発症予防と帯状疱疹後神経痛の予防です。帯状疱疹後神経痛は厄介な合併症で、発疹が治癒後も皮膚がずきずきと痛んだり、ぴろぴりと痛んだりする状態です。帯状疱疹ワクチンは2種類あって、それは“シングリックス”と”ビケン”です。ビケンは乾燥弱毒生ワクチン(ウイルスの病原性を極力よわめて、作られたワクチン)で、子供の水痘の予防接種にも用いられています。シングリックスは水痘帯状疱疹ウイルスの糖たんぱく質(グリコプロテインE:ウイルスの複製と細胞間の感染に不可欠)と免疫能を賦活するアジュバンドシステムを含むサブユニットワクチンです。

 

ふたつのワクチンの比較表を下記に示します。注意点として、シングリックスとビケンを直接的に比較した臨床試験はなく、それぞれのワクチンとプラセボ(偽のワクチン)を比較した成績を示しています。

 

要約すると帯状疱疹の発症予防効果、帯状疱疹後神経痛の予防効果、および発症予防効果の持続性はシングリックがビケンを明らかに上回ります。一方、発熱、胃腸症状、頭痛、易疲労などの全身性副反応は、ビケンが明らかに低率です。シングリックスによる副反応は殆ど3日以内に改善します。価格面の考慮(価格:シングリックス>>ビケン)の考慮も必要と思いますが、効果重視の方はシングリックスで、短期間とはいえ副反応が嫌だな、という人はビケンという選択になるでしょう。なお、ビケンを選択した場合は5年ごとに追加の接種がよいかもしれません。

 

参考URL

Vaccine information | Zoster (herpes zoster) | The Australian Immunisation Handbook (health.gov.au)

参考文献

1. N Engl J Med 2013; 369:255-263

2.N Engl J Med 2015; 372:2087-2096

 

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