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忙しすぎるあなたへ。

[2021.04.13]

月曜日と火曜日は休診日です。月曜日の半日、私はクリニックで過ごすことが多いです。何をしているのか?ひとつは前の週に初診された患者さんの要点をカルテに記載するようにしています。診断、病歴のサマリー、基本的な臨床所見(高血圧の方なら初診時の血圧、心電図での心肥大の有無、腎機能など)がその内容です。もう一つは本来、受診の予定日に受診していなかった方をノートに書き留めています。そして、予定日より2週間たっても受診していない方には電話して、現在の状況をおききするようにしています。治療の中断は、患者さんにとっての不利益につながるためです。

 

例えば心不全患者さんの場合は、薬の飲み忘れや中断は、心不全の急性増悪による再入院の頻度を高めることが明らかになっています。高血圧や糖尿病の場合は、治療を継続してこそ心血管病(心筋梗塞、脳卒中など)の発症あるいは再発を減らす効果が達成されます。さらに、睡眠時無呼吸に対するCPAP(持続陽圧呼吸)療法に関しても、毎日の平均使用時間:4時間以上が達成されて初めて、脳卒中などの動脈硬化性疾患の発症頻度を低下させます。

 

一方、電話でお聞きしてみると、治療が中断されるには切実な理由があるようです。仕事が忙しくて、受診できない、という理由が最も多い理由です。実際、帰宅は20時過ぎ、たまの休日は病院などにはいかずに家でゆっくりしたい、あるいは、好きなことをしたい、という方は少なくありません。また、治療の動機づけが不十分であった、と反省させられる場合もあります。特に痛風の患者さんの場合、その傾向が顕著で、痛みが改善すると受診しなくなる人が多いです。本来なら痛風発作の治療の後に、尿酸降下薬による継続的な治療が必要なのですが、中途で服薬をやめてしまうのです。そして、数か月後に、また足が痛くなりました、といってやってこられます。

 

忙しくてなかなか受診が難しい方に関しては、受診の予定日はあくまでも目安ですから、予定日の前後3日以内に受診して頂ければ、と思います。そのためには手持ちの薬を1週間分ほどの余裕を持たせていた方がいいでしょう。また、平日でしたら17時から18時、土曜日と日曜日でしたら、16時から17時30分の時間帯が比較的にお待たせすることなく、診察できる可能性が高いです。治療の動機づけに関しては、それぞれの病気の核となる重要事項、治療の要点を繰り返しご説明していきたいと思っています。

 

心臓病や生活習慣病の治療に関しては、長いおつきあいになると思いますので、これからもよろしくお願い致します。

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