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楽観主義者は長生きをする?

[2019.10.15]

急性心筋梗塞になりやすい性格があることをご存じでしょうか?性格をtype AとBに大別し、Type Aの性格・行動パターンは急性心筋梗塞の発症のリスクを高めると考えられています。負けず嫌いで、競争的であり、攻撃的な一面も併せ持つ性格の人はtype Aとされています。Type Bの性格はのんびりして、競争を好まない性格です。Type Aの性格の人は人間関係での摩擦をおこしかねない一面がある一方で、大量の仕事を積極的にこなす一面もあると思われます。私が医者になりたての頃は、”おまえはtype Bなので、心筋梗塞にならない“などといわれ、なんとなく心外な思いを抱いたりしていました。ちなみに現在、日本心臓財団のホームページ(https://www.jhf.or.jp/topics/2014/003578/)で、私のtype Aの傾向を分析したところ、合計点:24点と極めて高値でした(17点以上がtype Aとされます)。

 

性格と健康の関連は、惹きつけられる主題です。そして、楽観主義と心臓病の発症、および生命予後に関して、興味深い疫学研究がありましたので、御紹介します。その論文は過去に報告された15の論文のメタアナリシス1)で、229391名と多数の方が対象となっています。平均の観察期間は13.8年でした。この間、楽観主義者は非楽観主義者にくらべて、心臓病で亡くなるリスクあるいは心臓病を発症するリスクが35%低くなることが示されています。また、心臓病に限らす何らかの病気で亡くなるリスクも14%低くなることが示されています。楽観主義は特に心血管系に関して、よい効果を与えるメカニズムは不明です。ただ、心臓病と動脈硬化は密接な関係があることから、楽観主義者は非楽観主義者と比べて、動脈硬化の進展が遅くなるのかもしれません。

 

その時、重大と考えられていた問題、あるいは取り返しがつかないかもしれないと思われた失敗が、後から考えると実はとるにたらない些末なことだったと思い返されることは誰しも経験するところだと思います。特に若いころの失敗は挽回可能なことが多いのではないでしょうか?困難に直面しても、打てる手を打って、未来を信じて、“何とかなるさ”と鷹揚に構えていたほうが、健康にはよいことをこの論文は示唆しているようにも思われます。

注1)メタアナリシスとはあるひとつのテーマ(例えば喫煙は肺がんのリスクを増大させるか、など)を追求した複数の論文をまとめて検討し、結論を導こうとする方法です。対象の人数も多くなるので、論文間での結論の相違がある場合、あるいは明確な結論に至っていない場合に特に有効と考えられます。

 

参考文献

JAMA Network Open. 2019;2(9):e1912200. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.12200

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