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長生きのための野菜と果物の最適摂取量

[2021.03.30]

”健康のために、野菜や果物は十分量、食べましょう”これはよく耳にする文言です。でも、ここで疑問がわいてきます。十分量とはいかほどなのか?野菜や果物をそれぞれ、どれくらい食べればいいのか?どんな病気の予防に有効なのか?などです。これらの疑問に答えてくれる疫学研究があります。私は今まで殆ど果物を食べてこなかったのですが、この論文をきっかけに朝食時は2-3種類の果物を食べるようになりました。さっそく内容を御紹介しましょう。

 

研究では約11万人の対象者をおよそ30年間、経過観察し、野菜と果物の摂取量と観察期間中の死亡率との関連を検討しています。糖尿病、癌、心血管病のある人は対象から予め除外されています。摂取量はサービング(SV)という耳慣れない単位が用いられています。農林水産用のHPに基づくと野菜の場合、1SV=主材料の重量70gとなります。具体的には野菜サラダ、ホウレンソウのおひたしが1SVとなります。果物の場合は1SV=果物の重量約100gとなります。具体的にはみかん1個、りんご半分などです。

 

野菜と果物の摂取量が最も少ない2サービングス/日のグループを基準にしたところ、野菜と果物の摂取量の増加に伴う総死亡、心血管死、癌死、および呼吸器疾患による死亡に関して、以下のことが明らかとなりました。

  1. 摂取量2サービングス/日のグループに対して、5サービングス/日のグループの総死亡率が最も低率であり、13%の死亡リスクの低減効果を認めました。また、5サービングス/日より多く摂取しても、死亡リスクを減らす効果が高まることはありませんでした。
  2. 野菜と果物のそれぞれの適切な摂取量は、野菜は3サービングス/日、果物は2サービングス/日でした。
  3. 野菜と果物の摂取量:5サービングス/日が各種疾患による死亡を減らす効果は、心血管死:12%、癌死:10%であり、呼吸器疾患による死亡を減らす効果は35%と最良の効果でした。なお、癌による死亡を減らす効果は野菜の摂取量とは関係せず、果物の摂取量が多くなる(2サービングス/日まで)と癌による死亡を減らすことができました。
  4. コーンやジャガイモなどのでんぷんを多く含む野菜およびフルーツジュースの摂取は死亡率を減らす効果を認めませんでした。一因としてこれらの食材は他の野菜に比べて体に対する糖質の負荷が高くなる結果として、肥満や糖尿病の発症リスクを高めるため、と考えられます。

 

野菜と果物が心血管死を抑制する機序としては次のようなことが考えられています。野菜と果物はカリウムの主たる供給源であり、カリウム摂取量が多くなると血圧が低下することが知られています。また、野菜と果物に含まれるマグネシウム、食物線維、およびポリフェノールなどが共同的に、あるいは相乗的に作用することによって、動脈硬化の進行を遅らせたり、血小板の凝集を抑制したり、脂質の構成を変化させたり、また血圧を低下させることによって、心血管病の出現や増悪を抑制している可能性があります。

 

最後に強調しておきます。長生きのためには、野菜と果物の摂取量:5サービングス/日を目標にしてください。そして、その内訳は野菜:3サービングス/日、果物:2サービングス/日がよいでしょう。

 

参考URL

「何を」「どれだけ」材料と料理区分:農林水産省 (maff.go.jp)

参考文献

DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.120.048996

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