電子書籍はすばらしい
私は近視+老眼なので、小さな文字が縦書きされている文庫本を読む場合、特に苦労します。すなわち、眼鏡を左の中指で上方にずりあげて読む、または眼鏡を外してしまって、本と20Cmほどの距離をとって、読む、ことになります。ことのほか疲れるので、最近はとんと文庫本とはご無沙汰していました。
ところが何の気の迷いか、天の囁きか、あるいは酔っぱらっていたためかは分かりませんが、タブレットに“ドストエフスキー五大長編全集”をダウンロードしてしまったのです。
本を読むためには、Kindleというアプリを利用しました。そして、読みやすい、疲れにくい、これが一番の感想です。通常の本と比べて、電子本の利点を箇条書きにしてみました。
- タブレットをそのケースにはすかいに立てておくことができるため、まず本を持つ労力が省けます。
- 文庫本より字のサイズが大きいため、本と適切な距離をとることができます。
- 画面を右にスライドさせるだけで。次のページに行くことができます。いちいち紙をめくる必要がないのです。
- 気にいった登場人物の言葉が書き記されているページをマーキングすることができます。何かの機会に言葉を引用しようとする際に、どこだったかな、といちいち大部の本をひっくり返して探すような羽目に陥ることなく、この機能により容易に目的の言辞にたどり着くことができるでしょう。
- 辞書機能が付属していて、分からない言葉を即座に調べることができます。
- 本を置くスペースがいりません。また、タブレット内に格納されているため、その本、どこに置いたかな、と探すこともなくなるでしょう、たぶん。
余談ですが、電子書籍の価格は文庫本をそのまま買いそろえるよりも廉価なことが多いようです。カフカの全集はほぼ作家の代表作が網羅されていて、100円でした。この古典的名著がバナナのたたき売りのような廉価で販売していいのかな、という若干の疑問は残りますが、すばらしいものが安く手に入ることはいいことには違いありません。今までは紙をめくってこそ本、という先入観に捉われていましたが、また買ったばかりの本の匂いも好きでしたが、上記の利便性により、これからは電子書籍を中心に読みすすめる予感がします。そして、より広いジャンルで、よりたくさんの本が電子化されればいいな、と思っています。