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災いを転じて福となすー崎戸のコロダイ、マダイー

[2025.05.27]

梅雨入り前の5月下旬、やる気満々の私は池島に渡るべく、車を走らせていました。大瀬戸のセブンイレブンで飲み物とおにぎり2個を仕入れて、おもむろに車のトランクを開けた時、衝撃的な光景を目にしました。クーラー、クーラーがない。クーラーがないとうことは、エサもない、ということです。秀吉のように全速力で自宅まで取って返し、“もう、釣り行くのを止めたら”、という妻を、“ここで諦めれば、岩虫様とバナメイエビ様に申し訳がたたん”と振り切り、片道約90分のまた再びの崎戸に行く先を変更しました。

 

到着時はまだ陽が明るく、アジを餌にヤエン釣りで水イカを狙っているご夫婦がおられました。

“投げ釣りで邪魔にならないようにしますから、少し離れて、釣らせてもらっていいですか?”

“構いませんよ。私たちももうすぐ帰ります”と温厚な夫。“何を釣りにきとるとですか?”

“コロダイ、チヌ、ヘダイなどです”

“コロダイはひくでしょうね?”

“ええ、リールを破壊されたことがあります”、と自慢げに答える私。実際、長崎で投げ釣りで狙える大型魚の中では、コロダイが最も力強いと思います。

日が暮れて、“それじゃ、失礼します”、“お疲れさまでした”、と互いに挨拶を交わして、私の夜の時間となりました。

 

残光が残る20時頃に、4本の竿のうち右60度に投げ込んでいたそれから道糸が滑走し、竿をぐいと合わせて、巻きにかかりましたが、あっという間に巻けなくなりました。魚が根に隠れたのか、それとも錘が岩に引っかかったのか分かりませんが、とりあえずドラグをゆるゆるにして、他の作業、すなわち、餌の付け替えと針に糸を結んだりしていました。10分後、道糸がふたたびするすると動きだし、やはり魚はまだ居ました。再び根に入ろうとした彼(彼女かも)を交わし、護岸の際での突っ込みを耐えて、上がってきた魚はコロダイ:57 cmでした。今年の初コロです。静かに喜びに浸っていると、背後に2匹の崎戸子猫が控えていることに気がつきました。昨年の12月以来の再会です。懐かしかね、無事に厳しい冬を越せてよかったね、これからも息災で、ということで、サブ餌として持参したキビナ:1パックを差し上げました。その後、21時までにチヌ:42Cmとヘダイ:40 Cmが立て続けにヒットして、黄金の1時間でした。

図1:コロダイ57 Cm

 

これで帰宅してもよかったのですが、いや、帰宅すべきだったのですが、もっとでかいコロがくるかも、という妄想に駆られてしまい、ずるずると釣り続けました。しかし、その後はフグに齧られたり、ハマフエフキの子供がかかったりするだけでした(この魚も子猫に進呈)。23時、ようやく我に返った私は後片付けにかかりました。2本の竿を仕舞ったとき、再び右60度の竿のリールからドラグ音が響き、その方向に魚が隠れやすい岩があることは学習済みでしたので、全力でリールを巻いて、岸から10mほど先で浮いてきた魚はマダイ:49Cmでした。長崎のマダイはアイシャドーと背の青い小斑点(輝点)がとりわけ鮮やかです。崎戸は水深が極めて浅いのですが、ひょっとしたら5月、6月はマダイが回遊してくるのかもしれません。

図2:マダイ49 Cm

 

翌日の夜、軽くあぶったマダイのサラダとマダイグラタンを堪能しました(図3)。超美味でした。マダイは刺身でも十分にいけますが、手を加えたほうが(もっとも手を加えるのは自分ではありませんが)、さらにおいしくなる魚、と思います。

図3:あぶりマダイサラダとマダイグラタン

 

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