患者さんからの声
時の歩みは思いのほかに速く、開院してから4か月になろうとしています。私たちのクリニックの問題点の所在および期待していることを患者さんの声として把握することは、クリニックの質を向上させるために不可欠なことだと考えています。そのために7月と8月に来院して頂いた患者さんを対象にアンケートを行いました。その結果を要約してご紹介したいと思います。
診療に関しては、“よく話をきいてもらえた”、“親切”、“説明が分かりやすかった”という肯定的な評価が多くて、安心しました。患者さんの話を十分におききすることが、診療の出発点であり、根幹であるためです。一方、“もう少し分かりやすく説明してほしい”という御指摘もありました。”説明”は治療の動機づけにつながる重要な診療行為です。たしかに、言葉での説明は直截さに欠ける面もあります。1枚の図表が言葉をしのぐ説得力を示すこともあるため、印象的な図やイラストの力も借りながら、理解しやすいような説明を心がけていきたいと思っています。
“本人の体を大事に。薬で体をだめにしない方法をとってもらいたい”、という御指摘がありました。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に関しては、減塩や適切なカロリー摂取、運動療法などで経過をみて、コントロールが難しい場合に薬を始める場合が多いでしょう。一方、家族性高コレステロール血症のように食事療法の効果が期待できない場合、著しい高血糖あるいは高血圧で緊急を要する場合、およびすでに腎機能障害のような他の臓器障害を伴う高血圧を認める場合に関しては、ただちに薬物治療を開始する必要があります。生活習慣病に関しては、薬物治療による生命予後の改善効果が(薬を飲んだほうが長生きする)、すでに証明されていることも事実です。生活習慣病の治療薬は医師および薬剤師が副作用の面に配慮しながら投与すれば、患者さんの体に害を及ぼすことなく継続して治療することができますので、ご安心ください。ご高齢の方は複数の病気があるため、どうしても内服薬の種類が多くなりがちです。効果が明らかな必要な薬のみを投与する事を方針としていますが、疑問があれば、御遠慮なくご相談ください。薬の自己調節、中断は危険な場合があり、おすすめできません。
クリニックの特徴である水、木、金の20時までの診療と土曜日、日曜日の診療に関しては、”働いている人にとって、受診しやすい”という意見が多数、寄せられました。このことは本来、治療すべき病気があるのに、多忙な日常のためになかなか受診できない現実も提示しているように思います。健康寿命を延ばすためには、生活習慣病の早期からの治療が最も有効な方法の一つですので、肯定的なご意見の数々は、ささやかながら社会に貢献しつつあるという喜びは私たちに与えてくれました。この場を借りて、御礼を申し上げます。
そのほか、“待ち時間が長かった”、という御指摘もありました。完全予約制ではなく、新患の方も随時、診察しているため、時に待ち時間が長くなります。患者さんを待たせることは大変に心苦しいため、待ち時間も有効に活用できる方法を考えたいと思っています。
最後にクリニックを患者さんの希望にそうような形での持続的な改善をしていきたい、と私は思っています。患者さんと協力して、よりよいクリニックにしていきますので、よろしくお願い申し上げます。