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池島での国際交流とメイチダイ

[2024.06.04]

また釣りの話です。その日は早朝にちょいとキス釣りをして、その後は本格的に夜釣りという贅沢プランを立て、午前6時10分に先週、たくさんの中型サイズのキスを釣った大村湾の浜に立ちました。3時間で30匹という目算でしたが、この日はクサフグの活性が高い一方で、キスの魚影が極めて薄く、3時間で4匹という寂しすぎる結果に終わりました。

 

気持ちが挫ける出来事があっても、すぐに忘却する私です。ネットで購入した一蘭の豚骨ラーメンとローソンのマルゲリータを一気に食して、夜、釣りに夢中になって、絶食しても安心の体勢を構築しました。その日の夜は8mの強風の予報で、島に渡るか、陸続きの場所にするか、迷いましたが、どこで釣っても風は吹く、というわけで、池島に渡ることにしました。

 

17時頃に池島に到着。さっそく仕掛けの準備にとりかかっていた時でした。ふたりの異国の人(年の頃は20代、たぶん)がぶらりと堤防にやってきたのです。あまつさえ、彼らは無謀にも英語で私に話しかけてきました。よって、以降は私が聞き取れて、たぶん、こう話しているはず、と予測した内容となります。

“ツレテイマスカ?”

“たった今、釣り始めた処です”、と私。

“最初ノ魚ガツレルマデ、ドレホドノ時間ガカカリマスカ?“

“たぶん小1時間といったところでしょう”、と見栄をはる私。

“サイショノ魚ヲイタダケマスカ?”

それは魚の種類とサイズ次第と思いましたが、

“もちろんです”、とさらに見栄をはる私。どうやら夜の宴会?に魚をそえたい、と異国の二人は考えているようでした。池島では予約すると池島中央会館で宿泊することもできます。

また、彼らはおそらく海岸でひろったに相違ない流木に糸をつけていて、

“何処デ魚はツレマスカ?

釣れるとするなら貪欲に餌に突っ込むアラカブかな、と判断して、磯際の堤防を指さしました。さて、私は日没まで“かつおのはらも”で、マゴチ狙いでしたが、そんなに簡単に釣れるわけもなく、アラカブが釣れず、約束の1時間が経過して、異国の青年たちは帰っていきました。

 

やはり風が強く、防寒のためにいったん車に戻って目出し帽を被って、堤防に戻ってきた19時20分、ドラグ音が響いているでは、ありませんか。半信半疑で合わせを入れて、あがってきた魚は高級魚、かつ、おいしい“メイチダイ”(図1)。サイズは35Cmでした。さらにその30分後に中型のきれいなマダイ。ちょうどその時に青年たちも釣果の再確認に戻ってきていて、目を輝かせて喜んでいます。

“ソノ魚、イタダケマスカ?”

鯛茶飯が消えていくと、若干、惜しい気持ちがしましたが、約束でしたので、

“どうそ”、と鷹揚に返す私。

図1:メイチダイ35Cm

 

彼らが帰途に就いた直後にイサキ30Cm(図2)。21時頃に左から2番目めの竿に強烈なあたりがありましたが、竿を立てるも間もなく岩角でハリス切断。“やっちゃいました”と私。22時過ぎてからは、イサキを1匹追加したのみで、当りも途絶えたため、朝まずめに勝負することとし、仮眠。

図2:イサキ30Cm

 

 

午前4時に再開。すぐに一番左の竿に大きな当りがありましたが、無念の針はずれ。間髪をおかず、左から2番目の竿にきたあたりは、またもハリス切断の憂き目。そんな私を慰めるイサキ:33Cm。気を取り直した私を打ちのめす4発目の大当たりはなんとPEラインの道糸で切断。ついていない、と自分の技量を棚に上げ、運のせいにする自分。

 

早すぎる夜明けを迎えて、早朝に短時間、ルアー釣りをする地元の方がきて、先日、ブリを釣ったとのことでした。池島は青物がしばしば廻ってくるようです。半分、あきらめかけていた5時20分、私にも幸運が訪れたのです。その幸運の主はメイチダイ:42Cmでした(図3)。メイチダイの最大サイズは約40Cmとされるので、超嬉しい一尾となりました。そもそもメイチダイはなかなかお目にかかれる魚ではないので、この釣り場を大事にしたい、と改めて思いました。

写真3:メイチダイ42Cm

 

帰途、瀬戸港から池島に到着したフェリーからでてきた車は品川ナンバーで、異国の人が3人、乗っており、異国の人にとって、池島は密かなブームなのかも、と思いました。

 

今回の反省点として、池島では針かかりのその瞬間から魚に主導権を与えてはいけない、ということです。基本的に海底は砂地なのですが、所々に根(岩)が点在していて、最初の魚のひとっ走りでラインを切断されることがあるためです。対策として、ドラグを用いず、竿尻をロープでつなぐ方法への変更を考えています。また、この時期は夜明けが早すぎるので、朝の勝負をもっと早める必要がありそうです。

 

イサキは塩焼きで、メイチダイは刺身、皮焼き、昆布締め、新作の揚げ出しメイチダイで食しました(図4)。特に揚げ出しは絶品で、噂に違わぬおいしさで、“メイチダイ、なかなかやるな”とひとりごちました。

図4:イサキとメイチダイの晩餐

その2日後にメイチダイのフライをタルタルソースで頂きました(図5)。アジのフライよりも、そして、私が大好きなキスフライよりも、ほくほくとして、味わい深く、美味でした。メイチダイの釣れる期間は短そうなので、また、頑張って釣りに行かねば、と決意しました。

図5:メイチダイのフライ

 

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