院長ブログ
生活習慣病のQ & A(2022.06.20更新) ふだんの外来診療で、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病に関して、患者さんからの頻度の高い問いかけに対して、Q & Aの形式で、現在の私の考えを述べたいと思います。 Q1:運動を積極的に行えば、食事(カロリーなど)に気をつける必要がないのでは? Q2:カロリー計算が面倒です。手っ取り早い健康にいい食事はありますか? 摂取カロリーの決め方、計算式はありますが、いちいちそんなものを気にして食事などできない、食事本来の愉しみが損なわれる、と思う方は多いと思います。私もその仲間です。一方、ポイントを押さえた食事の仕方はあります。いくつか箇条書きにしてみます。 Q3:外食やコンビニ弁当が多くて、太ってしまいます。解決策はありますか? 一人暮らしの方や忙しくて、食事を手っ取り早く済ませたい人に多い質問です。解決策としては、 Q4:薬を飲みだしたら、一生、のまないといけませんか? 生活習慣の改善のみで最初は投与していた薬を中止できる方もおられます。また、降圧薬に関しては、夏の暑い時期は、薬の減量や中止がむしろ必要な方が多々、おられます。ただ、これを可能とするためには家庭血圧の記録が必須です。この質問の背景には、なぜ自分がこの薬を飲まなけれなならないのか、ということに関しての理解が不十分なこともあるようです。薬物治療に関して、納得できないこと、不安なことがもしあれば、医師に質問しましょう。十分に理解して薬物治療を受けることは、医師と患者さんの双方にとってメリットが大きいです。 Q5:そもそも薬は飲みたくありません。薬以外の治療で、お願いします。 その方の未来を考えた場合、はい、わかりました、と請け合うことはできません。生活習慣病の治療の3本柱は食事、運動、および薬物治療です。食事と運動のみで病気がコントロールされない場合、その方は将来のリスク(心筋梗塞や脳卒中の発症など)を抱えて、生活することになります。よって、薬による治療も許容する考え方を強く推奨します。 患者さんからの頻度の高い質問と私の回答を記してみました。ご参考になれば、幸いです。
この質問はかなり頻度の高い質問です。運動量を増やせば、それだけ消費するカロリーも増えるので、食事の量や内容にさほど気を使わなくとも、体重が減るはず、という考えに基づく質問と思います。しかしながら、運動だけで1か月で1Kgの減量を目指した場合、毎日、約8Kmを歩く必要があります。ごく限られた人を除くとほぼ無理(無謀?) な試みとなります。運動の目的は体重減少ではなく、インスリン感受性の改善、血管の機能の改善、筋力の維持、血圧の低下などが運動の目的です。運動習慣のある人はない人に比べて、急性心筋梗塞の発症や心臓突然死のリスクが低下することが明らかとなっています。