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熱中症

[2019.07.15]

猛暑の夏がやってきそうです。今回は熱中症に関して、考えてみました。

 

激しい運動や熱波などによる体の熱の蓄積に対して、発汗などの放熱がうまくいかなくなった時に、熱中症が発症します。熱中症は中枢神経系の障害(嘔気と嘔吐、意識障害、けいれんなど)、多臓器不全(心臓、肺、腎臓、肝臓などの障害)、および40.5℃を超える深部体温(直腸や膀胱での温度)で特徴づけられます。いろんな臓器に影響を及ぼしえるという点で、単純な脱水症とは大きく異なっています。熱中症にはふたつのタイプがあります。

 

古典的(非労作性熱中症):思春期前の子供や高齢者に多いタイプです。熱波などの環境要因が主たるリスク因子です。子供や高齢者では放熱機構が未熟、あるいは低下しているために、環境要因の影響を受けやすいのです。高湿度、高気温の日は特に注意が必要です。皮膚は乾燥していることが多いとされています。高齢者では熱中症と認識されず、治療が遅れがちになることもあり、死亡率は50%以上と考えられています。

 

労作性熱中症:過剰な熱の産生が主たる原因で、過剰な熱の産生は過剰な労働や運動と密接に関連してきます。非労作性熱中症の方とは異なり、むしろ頑健で、身体的な活動度の高い人に発症してきます。冬でも過剰な労作は危険因子となりますので、季節性に乏しい点も特徴です。皮膚は発汗し、湿潤していることが多いとされています。治療が早期に開始されることが多いため、死亡率は5%未満です。

 

熱中症の予防:高齢者に関しては、梅雨も含む夏が危険な季節です。冷房が効いた部屋かショッピングモールにいる、日中の活動を控える、まめに水分を摂取するなどの個人としての注意が必要でしょう。家族や隣人が高齢者の体調(受け答え、ぐったりしていないかなど)を気にかけることも重要と思います。アスリートなどでは、体調に合わせた運動、日中の暑い時間帯の運動を避ける、汗が蒸発しやすい衣服の着用、飲水、および休憩時間を定期的にとるなどの注意が必要でしょう。来年の東京オリンピックでのマラソンの開始時刻が午前6時になったことは、選手の健康を考慮したいい選択だと思います。

 

最後に熱中症の応急処置に関して、環境省が作成している” 熱中症環境保健マニュアル”の中に分かりやすい図がありますので、ブログに掲示しておきます。

 

参考文献

N Engl J Med 2019;380:2449-2459.

 

熱中症の応急処置

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